算数宇宙の冒険

aliceL

『算数宇宙の冒険』を読んでみた。あらすじはこちらに詳しい。

もともと数学にまつわる話は好きで、品格うんぬんでベストセラー作家になった藤原正彦はむしろ数学者として認識していたから「なんでこんな本を」と思ったりもしたなあ。

数学者のエピソードは興味深いものが多く、古くはアーベルやガロワ、新しいものではポアンカレ予想を証明したペレルマンのものが強く印象に残る。

さて、本書を読むきっかけになったのは先日の「リーマン予想」にまつわるNHKの番組を観たからなんですね。それは「リーマン予想」と「素数の全性質」の解明が宇宙の法則解明につながっているとかいうざっくりした流れで進められていたんだけど、はっきりいって「それは凄そうだ(よくわからないけど)。」くらいの認識しか僕の脳では無理。それでもこれに触発されてネットで調べたり、映画『ビューティフル・マインド』も観たりして、この本にたどり着いたというわけ。

読後感としては可も無く不可も無いというところで、そもそも高校数学でドロップアウトした「算数脳」しか持っていないので、“自然対数の底”くらいでギリギリ。それで“全ての自然数の総和は−1/12になる”とか言われてもね。それこそ「数式を鑑賞する」くらいで読み進めるしかないなと決めてからは問題なかった。その時点でこの本の魅力を損なっているはずなのだけど、それはもとより覚悟の上。高度な数学の世界観をかいつまんで覗きたいという目的は達せられているのだ。

途中でキャラクター配置が「ハ○ヒ」や「電脳○イル」に似ていると気付いてからはストーリーが読めてしまって苦笑したりもするわけだけど。

ここでいくつか触れたキーワードに興味があるなら、とりあえず本屋で手に取って読んでみることをおススメします。

Category: culture, memo

Date posted:2010-01-15