印獣@嘉穂劇場

三田佳子がクドカンで嘉穂劇場。しかもあの「鈍獣」以来のねずみの三銃士ふたたびってことでチケットを購入するのに一切の躊躇がなかった。そもそも嘉穂劇場は行ったことないし。

車で八木山バイパス経由で飯塚へ。ETCカードを手で差し込む形式は何故なんだ、と思わずにはいられなかったが、それは飯塚だから、と言われればなるほどそうか、と思えなくもない。
劇場に近いパーキングに車を置いてから飯塚の地元民にはお馴染みらしい「味覚焼」で小腹を満たし、いざ嘉穂劇場。

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いいよなあ、これは。筑豊の片隅で生まれ育った僕にとっては見知っている雰囲気なんですよ。

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中へ入っても何故だか知っているカンジ。でもまあボクらの世代で福岡とかの地方で育ってたらこのカンジはまったく違和感ないのかもしれませんね。

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さてその「印獣」ですが、すでに東京での約一月にわたるスケジュールをこなし、その後全国4カ所を経てこの福岡筑豊へたどり着き、これが最終公演ということになっています。そしてその内容はおそろしく「ここでやるため」に書かれたかのようなものでもあったのです。

ストーリーは語るに落ちそうなのでやめときます。とまれ三田佳子が演じるのは女優(Wの悲劇を想起させる。クドカン作品には薬師丸ひろ子も出てるし)で、ぼた山が見える環境で育っている。劇中劇で再現される幼少時の同級生はベタベタの博多弁。まあ博多と筑豊とでは方言がかなり違うのだけど、県外の人間が書いた戯曲では無理だし、方言のボキャブラリーが貧困なのは成志さんが劇の中で謝ってたww(福岡公演だけのアドリブでしょう)。あの時間帯の微妙な空気感は他の公演では醸せなかったハズ。

それにしても「グループ魂」の楽曲でも博多弁のがあるし、なんなんだろうなー、クドカンと福岡。まあ今回は上地の沖縄語も出てたからね。上地春菜は知らなかったけど、これで忘れられなくなったなあ。

あと花道に突如現れた三田佳子の「毒マグロ」は席が近すぎたために驚きすぎた! 今思えばアレは腹抱えて笑うところだったのに! 観てない人には「三田佳子の毒マグロ」は永遠に想像できないだろな〜
そしてどこまでいくんだと思わせといて最後には全部持っていくんですよ、大女優は。そういうふうに書かれているわけだけども。特に演出上ほとんどをマイクごしに喋っていたり、コスチュームプレイに終始していた三田佳子が、終盤で麗しくも声高らかに正直な演技を見せるときには鳥肌がたちました。本も上手いがあの上質さはまさに国民的女優ならでは。凄かったですよ。

やはりライブはいいなと思います。観劇は2年前の「オセロー」以来なのか! 「消失」は4年前だし「解放弦」「イヌの日」は3年前‥おっと阿佐ヶ谷スパイダースが2月にあるな。また行くかな。

Category: culture, memo

Date posted:2009-12-14